「本」で街と人をつなぐこと

東広島,西条のあたりは街なのだけれども,「本の店」がないんだよね。

今,街場の小売りの書店は厳しい時代で,15年前に院生だったときはそれでも2軒ほどあったのだけれど,どれもなくなってしまった。

通りの中でふらっと立ち寄って本をめくって本に出会うことは結構面白いこと。本屋は出会いの場でもある。それが少ない。子どもも多い街だけれど,親に連れられて車でモールまで行かないと本屋に行けないのなら,やっぱり本には出会う経験は少ないだろうと思う。

国立に住んで最初にであったのも本屋だった。「国立本店」という名前のそれは,実際本屋ではなくて「本で街と人をつなぐ」がコンセプトのコミュニティスペースだったのだけれども。

本を通して街に向けてさまざまな企画を展開しており,とても面白い場所,運営の人たちだった。(僕も2年ほどかかわっていたのだけれど,育児が忙しすぎてその後は見守り人間だった)

国立はまだ「本屋」が多く残っていて,一橋大学関係もあって街の本屋の地下には社会学関係が超充実していたり,古書店も多くあった。

東広島も,多様な街なのだけれども学問の街でもある。でも,広島大学の学生街と西条の地域の街は若干離れていることもあったり,地域自体もこの時代めずらしい人口増の中で多様な人がいたりする。そうした人たちをつなぎあうのに「本の店」というのは実は結構面白い部分があるんじゃないのかなと思っている。

山口にいたときも,超絶山奥の俵山温泉の奥に「ロバの本屋」があり、そこから街と人をつなごうとされていた。本屋も厳しい時代だけれども,案外セレクトショップのような発想があると,店の人の感性と発想で企画運営が沢山できることを知った。

さて,自分自身がコミュニティスペースや本屋を運営するのは今はちょっと難しいのだけれど,何らかの形で「街と人をつなぐ本の場」は,東広島こそブルーオーシャンではないだろうかと思っていて,何か企画ができないかなあ。(まだ白紙)