2022年度春学期卒論修論ゼミ

研究室のメンバー

4年生	7名(A類国語3名, A類国語日本語教育コース1名, B類国語3名)
3年生 10名(A類国語日本語教育コース8名,B類国語2名)
研究生 1名

2022年度春学期は,研究室学生の人数が多いことと,関心が多様な学生たちになりました。
それで,緩やかに「国語教育学・教育学中心コース」と「日本語教育学・多様性教育学中心コース」のどちらかをゼミ内で選択できるようにして,互いが互いに交差しながら学習を積み重ねていきます。

2022春学期のゼミ日誌

2022年5月19日(木)4限🌞
国語教育学・教育学&3年生の文献選書

✎やったこと
①論文の探し方について 各分野の主要な文献についての紹介
②春学期読んでいく文献選び(3年)
原田大介(2022)『インクルーシブな国語科教育入門─マジョリティを前提につくられたカリキュラム・授業方法を問いなおす』明治図書
Garcia, O., Johnson, S. I., Seltzer, K. (2017). The Translanguaging Classroom: Leverging Student Bilingualism for Learning. Calson.
澤田智洋(2021)『マイノリティデザイン─弱さを生かせる社会をつくろう』ライツ社
古田雄一(2021)『現代アメリカ貧困地域の市民性教育改革─教室・学校・地域の連関の創造』東信堂.
③担当の割り振り

✎感想
今まで名前も知らなかった雑誌、文献がいっぱいあってわくわくしました。CiNiiとJ-Stage以外使ったことないのですが、他の検索方法もうまく使えるようになりたいです
先生が持ってきてくださった文献ぜんぶ面白そうだなって思いました。7月に他のグループの人の話を聞くのが楽しみだし、自分も頑張って読むぞ読むぞってなりました。✌️(3年・I2)

*重厚なものからライトなもの,和書から洋書まであるけれど,関心や難易度も含めていろいろな視点がおりまざりますように。とはいえ3年生であって大学院生ではないし,はじめての専門書という人だっている。どうなることかだけれども,意欲とやる気と元気さを信じてみたいです。
4年生も忙しい中関わってくれてとてもとてもありがとう。

2022年5月13日(金)1限☔️
国語教育学・教育学: 4年生の研究方法の方針の検討2

✎やったこと
4年生の発表(4人)
調査の対象とする日本語学習者がどのような言語環境で、どのように言語習得をしたかに着目してみる
文献をどのような視点で分析していくかを検討
自主ゼミに参加した人を調査の対象とする上で、具体的にどのような人にインタビューするのかを検討
インタビューする際の、同意等の手続きについて

✎感想

今日は発表担当でした。研究方針でずっと行き詰まっていて、行き道は足取りも重かったのですが、先生からの助言と話し合いでかなり道が開けました😆今日来て本当によかったです‼️金曜1限はヘトヘトですが、得られるものも多いと思いますので、がんばっていきましょう😠日曜の合同ゼミも、ドキドキですが楽しみましょう👊👊👊(4年・38)

*5月15日の次の日は,横国大石田ゼミとの合同でした。外からのコメントが力になるのもふくめて,それぞれの方向を磨いていけますように。

2022年5月6日(金)1限🌞
国語教育学・教育学: 4年生の研究方法の方針の検討1

✎やったこと
学校にはどのような「書く」場面があるか、実際に指導をすること、またその方法を取り上げるのか(実践的アプローチ)、現状を分析しそこから示唆を得ることを目的とするのか(分析的アプローチ)を検討する。
研究の対象をどのようにラベル付けするか(対象をどう見るかにも関わる)を検討する。
研究の対象を研究者の外ではなく内に見出し当事者として研究するという手法を検討する

✎感想
まだ朝は涼しく過ごしやすい気候でした。

発表者の4年生がそれぞれの研究概要を話した後、先生からのコメントがあり、それを受けて学年関係なくグループに分かれ話し合いを行いました。
先生が話す時間を抑えるために今回から学生が司会をすることになりましたが、もう少し慣れが必要かもしれません。(4年・ギガンチウム)

*4年生の研究の方法は,忙しい現状と状況を加味しながらできることが何かをしっかり考えていくしかないですね。その中で研究方法論を知りながら,進めていきましょうね。

2022年4月21日(木)4限☁️
国語教育学・教育学&日本語教育・多様性教育学いっしょに: 研究と関心の地図を作る

✎やったこと
自己紹介
4年生は発表に向けて個人作業
3年生は曼荼羅マップを作ってみる
作ってみた曼荼羅マップを回し読みしてコメントをする

✎感想
前回寒かった教室も人数が増えたせいか少し温かくて安心

4年生は個人作業ゾーンに移動しても色んな人と会話をしながら作業を進められていて「とってもゼミっぽい!」と感動。授業とはまた違った良さがあります。

3年生は研究と関心の地図作りとして曼荼羅マップ(大谷翔平選手が作っていたことで有名なマスに記入するやつ)を作成。自分の脳みそを分解して整理しているようでした。寄せられたコメントも併せてこれからの研究の地図となっていきそうです。(3年・やし)

*曼荼羅マップを大谷翔平選手がつくっていることを知らず,家に帰って奥様に聞いたら,「なんで知らんの!?」と目をむいて驚かれました。
いずれにしても,よく「研究テーマを絞る」というけれども,「絞る」という比喩よりもほんとうは「ふくらましていくこと」「種から芽を吹かせて葉を茂らすこと」のほうが大切になることが多くあるなと思う最近です。


2022年4月15日(金)1限☔️
国語教育学・教育学中心コース 顔合わせ

⭐️やったこと⭐️
・自己紹介(学年・名前・春休みに何をしたか・興味のある分野/研究内容)
・今後の予定確認
・4年生の5/6,5/13の発表メンバー決め
発表までに、レジュメの「研究の方法」を具体的に考えておく!
(インタビューをするなら、「どのような人に」「どのようなことを聞く」のかまで)

⭐️感想⭐️
○半分のメンバーで10人となると、今年は本当に大所帯なんだなぁと改めて感じました!全員で顔合わせるの緊張しそうです

○3年生が読む物の方針としてひとまず定まった「HRTELA」、なんだかとても難しそう……

○実習→教採/就活→実習→卒論提出と、忙しい一年になりそう。4年生が忙しいって本当だったんだなぁ、あぁもう4年生になってしまったんだなぁと実感。(4年・ち)

*HRTERA: “Handbook of Research on Teaching the English Language Arts”(2017, Routledge)は,英語圏の『国語教育研究ハンドブック』です。リンクにある目次のように,移民の多い国の国語は,その前提として「多様な学習者に対する国語教育」の研究の領域が広く見られます。
「なんだかとても難しそう……」なはは。たしかに,数年前だったらそうかもしれないですね。英語文献ですが,DeepLなど日本語への翻訳精度はここ数年段違いで良くなってきているので,目線を広げるために,共同でゆっくり,目次の分析,どれか1つを選んで内容を知り,日本の国語教育と異同を探る,日本の文脈に起きかけて考えてみる――を無理ない範囲で行う予定です。


研究室で大事にしていること

ことば,文化,社会,多様性──といったことに関わる教育なら,研究テーマを何にするかはみなさんの自由です。
地域づくり,学校づくり,授業,評価,教材,環境,教科書,カリキュラム,子どもの成長,教師の成長……いろいろなことが切り口になっていいと思います。

似たようなテーマの人ばかりが集まることよりも,いろいろなことに感心を持った人が集まる場所であることを大事にしています。
もしかすると,同じようなテーマの人が集まるほうがスピードは速いかもしれません。チームの結束力も高いかも知れません。それはそれでとても大事なことです。
でもそれよりも,人が雑多に集まり,ときに向いている方向が違っていても,交差することに価値をおき,違いがゆっくりと重なっていくことを面白がれることを大事にしたいと思っています。


おもろがってみる

「ウワーッ人間」を目指していけると,いいですね。
「ウワーッ,どうなってるんやろ」「ウワーッ,なんやようわからんけど,おもろいなあ」「ウワーッ,できへんかもしれんけど,やってみたいなあ」……世の中には「ウワーッ」と未知が溢れています。そして,この世界をあたらしく更新していくときには常に「外にあるけど,そこにないもの」「過去にあったけど,今はないもの」が鍵になります。「ウワーッ」という心を大事にして,ひとまず行ってみる,見てみる,飛び込んでみる。あるいは,読んでみる,聞いてみる。そういう幅広さに憧れる…そんなことを大事にしています。

  • 「おもろい」は関西弁。「知的好奇心をくすぐられながらわくわく」みたいなやつです

雄大にボールを投げる

「ウワーッ」は雄大な目を生み出すための扉であり,エンジンです。
特に学部生の卒業論文では,緻密さや精密さよりも「一生かけて考えるに値する問いを得る」を大切にしてほしいです。
「うぉぉ,がんばったけど,解決せんかった!」という気持ちを大事にして,ライフワークになるような問いや考え方,世界の見方を見つけていくこと。それが見つかることがなにより大事です。

もちろん,研究のもう一つの大事なことに「他者を納得させること」があります。雄大な目を持っていても,他者に「なるほど!」と納得してもらえないと,やっていても楽しくないでしょう。論理性や他者に対して納得をつくっていくためには,細やかな論理も重要です。

一緒に地面を転がる

実のところ,教育は,とっても泥まみれの世界です。子どもの成長も,教師の世界も,学校も。「違い」や「格差」のようなことが溢れる世界になればなるほどそうかもしれません。目線を高く持っておくことと同時に,「それはそれとして」いっしょに転がり,引き受けていく向き合い方がとても大事になります。むしろそっちのほうが大事だったりも。
なので研究としてはちぐはぐになってしまうこともあるかもしれませんし,ときに理念を放り出して泥んこになることも大事です。研究も「かならずしもうまくいくとは限らない」「でもちょっと願いながら,いっしょに転がる」を楽しめるといいな,と思います。


研究室に関わった先輩の卒業論文・修士論文

2021年度

日本語教育におけるTRPGのゲーム教材としての分析
Keyword:TPRG,アクションリサーチ,ゲーム開発,外国人児童 など


マルチモーダルを活かした言葉の教育の教材分析──多言語環境におけるインクルーシブな教育の実現を目指して
Keyword: 国語科教育と日本語教育の融合,トランスランゲージング,マルチモーダル など

2020年度

帰国児童に対する国際学級国語科実践のアクション・リサーチ研究―新任教師のフレームの変容過程に着目して〈修士論文〉
Keyword: 国語科教育と日本語教育の融合,複言語主義,トランスランゲージング,アクション・リサーチ など


学習者の自律性を育む日本語教育―学習者へのインタビューから見えた学習環境と自律性の関係
Keyword: 国語科教育と日本語教育の融合,複言語主義,トランスランゲージング,アクション・リサーチ など


現代日本における母語話者の日本語に対する規範意識に関する研究―小学校国語教科書・児童用日本語教科書・小学校書写教科書における「文字を書くこと」についての指導の規範
Keyword: 文字指導,母語の規範意識,批判的談話分析 など


2019年度

在籍学級における外国人児童の学びの保障
Keyword: インクルーシブ、在籍学級の学び,フィールドワーク など

日本語教育のマネジメント研究
Keyword: 食べていける日本語教育、組織作り、文献調査 など


海外の日本語教育機関におけるカリキュラム開発
Keyword:継承語、アメリカ補習授業校、実施したカリキュラム、インタビュー など

第二言語による学習参加のための教育ツールの開発
Keyword: ゲーム開発,コミュニケーション、学習参加 など


2018年度

多様な日本語教育現場の状況を踏まえた教師の実践構築プロセスの研究─教師へのインタビューを通して〈修士論文〉
Keyword: 教授法の創造、ポストメソッド,教育観,内容と言語の統合 など

外国人児童生徒に対する評価方法の研究─高校教員の評価に関する工夫と葛藤を視点として
Keyword: 高等学校、外国人児童生徒、評価、評価観 など

日本語教育の教室における使用言語と学習の公正性―都議会言説と自治体の教材の関連性を手掛かりに
Keyword: 東京都議会,自治体教材,言説 など

地方在住の日本語学習者の言語獲得意識―大阪から東京に移動したタイ人留学生の語りを通して
Keyword: 方言、日本語学習者、関西方言 など

聞く力の軽視 聞く力を伸ばす実践とは
Keyword: 国語科教育、聞く力、教室実践 など

人口減少時代における外国人材のための日本語教育
Keyword: 日本語学校経営、人口減少社会、地域共生、PBL など


2017年度

日本語教育における「教師の教室内発話」の意識についての研究―「ティーチャー・トーク」をオルタナティブに拓く〈修士論文〉
Keyword: ティーチャー・トーク言説、教師の教室内発話,教育価値観,教師教育 など

日本への移動経験者とその周りの子どもたちとの関係構築過程の研究
Keyword: 移動経験者と周りの子どもの関係構築,ライフストーリー,TEA など

学校における言語景観―提示の方法とメッセージ性の分析
Keyword: 学校言語景観,質的分析,環境の打破 など

生涯教育としての日本語教育のあり方について―フィリピンでの実践的研究を視点に
Keyword:海外の子どもたち,日本に行く/日本人と話すではない日本語教育,実践分析 など


ここより以前は山口大学教育学部(小学校総合教育コースおよび社会科教育選修担当)所属時代です

2016年度

小学校社会科における「対話」の再考―教師-子どもの権威関係に注目して〈修士論文〉
(山口大学の2015年度までのゼミ生,2016年度は南浦移動により副査として)
Keyword: 対話、ワーチ、権威関係、歴史学習 など

学校教育と複言語複文化的視点
(南浦異動のため2016年度は源田ゼミに所属)  Keyword: 複言語主義,外国人児童生徒,学校教育


2015年度

特別支援教育における「福祉」の視点の可能性
Keyword: 包括的ケア、分析的ケア など

小学校教員の成長に資する「理論」の捉え方の研究
Keyword: 理論と実践、実践の中の理論 など


2014年度

省察と成長の循環―「あの関わり」の捉え方の変化を通して
Keyword: 省察の意味,社会的状況との関わり,教師の成長 など

ダイアローグによる歴史学習の基礎的研究―オーラル・ヒストリーを視点に
Keyword: ダイアローグ,オーラル・ヒストリー,歴史学習 など

外国人児童をどのように支えるか―「つながりの支援」から「つながりの実践」へ
keywords: 外国人児童生徒,日本語教育 など

先の見えない社会におけるキャリア教育―「ワーク」から「ライフ」へ
keywords: 異年齢集団(中学生と大学生or大人),キャリア形成促進,コミュニティ・スクール など

学校を超えて生かせる力の育成としての隠れたカリキュラム―小学校教育コースの分析から
keywords: 意図的な隠れたカリキュラム,活用力,教師の手立て など

道具としての黒板の活用―子どもの主体的な学びのために
keywords: 対話型黒板,機能,教師の授業観と黒板観 など


2013年度

授業における小中連携を探る研究
Keyword: 小中連携,社会科 など

授業内における教師の指導・支援の意図―「現場経験が子どもを見る目を作る」を越えて
Keyword: 教師の意図,子どもへの対応,チューターの意味 など

中学校社会科教師のライフストーリー研究―大学卒業後の教師の成長に注目して
keywords: 教師の成長,社会科教育観,ライフストーリー など

外国にルーツを持つ子どもに日本の学校教育が与える影響
keywords: マイノリティ,多文化教育 など

学習指導における小学校教員の専門性についての探索的研究
keywords: 小学校教員の学習指導の専門性,教科内容≠教育内容 など


2012年度

「教師と子どもの思い」から授業の横断的目標を見つける研究―小学校の特別支援教育を中心に
Keyword: 教師の実際カリキュラム,横断的目標,特別支援教育

学習指導における「学び合い」の研究
Keyword: 学び合い,アクションリサーチ