授業をつくる 学級・学校をつくる 地域をつくる 多様な人が共に生きる
「教育」のビジョンを持ってそのカタチをデザインし、実践できる人を育てる研究室です
さらに、外国につながる子どもたちに代表されるように
多様なことばと文化を多様に持つ人たちも共にあり、いっしょに力を育むにはどうしたらいいかを考えています
ときどきノート
以前住んでいた街にあった本屋は「地下」があって,そこには児童書から人文社会科学の本まで幅広い本が売られていた。大学の近くということもあったのだと思うけれど,児童書の充実ぶりはなかなかすごく,岩波少年文庫にあるようなちょっとワクワクする冒険物語もラインナップがすごくよかった。ある種の「街の顔」だった。
ただ,改めてこうした「本屋」はとても珍しかったのだということをまざまざと知った。そもそも本屋が雪崩のように潰れていく中で,残っている本屋は子どもの本がまともにない。図書館に行けばものすごい数の児童書があるのに,本屋にはもうほとんどない。
絵本コーナーはそれでも充実しているのだけれど,小学生にあがったころから中学生くらいの子どもたちが読む本がほとんど置かれていない(アニメ絵になった青い鳥文庫などでシリーズ本はある)。どこの本屋も大抵あるのは同じシリーズ本だ。コンビニのように同じ陳列がどこでも続く。
絵本があるのは親が読み聞かせをするからだろうけれど,それ以降の本がないのは,日本に住む人の多くは,もう親も子どもも「本」というものを手に取らなくなるからなのかもしれない。
以前,「本屋はこれから服屋のようなセレクトショップになっていくように思う」と言う友人がいた。これは言い得て妙で,たしかにそういう方向性が今求められているのかもしれない。「いい本屋」が街にももう少しあってほしい。
「いい本屋」は街の文化の顔でもあり。
――「そうじゃないかと」って,プーのやつ。





