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「教育」のビジョンを持ってそのカタチをデザインし、実践できる人を育てる研究室です
さらに、外国につながる子どもたちに代表されるように
多様なことばと文化を多様に持つ人たちも共にあり、いっしょに力を育むにはどうしたらいいかを考えています

ときどきの研究室ノート 4/22

試験対策なんて,ノウハウばかりの無味乾燥な時間だ。
という向きもあるのかもしれないけれど,それがどうして,人は試験対策を通して学ぶ,ということも案外ある。

大学4年生のゼミ生向けに行っている教員採用試験対策の時間「教科と実践」の時間。例えば小論文の時間。
実際,小論文を磨くという添削の時間は,いわゆる「てにをは」や「構成」を直す時間ではない。むしろ「認識を磨く」という時間だったりする。

出題された問いを見た瞬間にそれが「何を問われているのか」が見抜けると,論を書くのはあとは早い。逆にこれが見抜けないと,何を書いたらいいのかがわからなくて,すると,「第一に〜」「第二に〜」といった「方法の型」ばかりを気にしてしまう。すると読む側としては,何枚も何枚もどこかで見たような「方法の型」を見ているのでますます薄く見えてしまう。

「何が問われているのか」はつまり,その世界にかかわる「論点争点」になるような認識の枠だったりする。例えば「個別最適化」の論点争点は「個に応じるとはどういうことなのか」ということ自体を支える学習の個別化や個性化,インクルーシブという概念を支える発想や概念にかかわる話につながっている。

いやいや,教員採用試験でしょう。書くのは「方法」や「具体的実践」でしょう,というかもしれない。でも実践や具体というのは「方法」を支えている考え方の枠組みがかなりものをいう。声かけ,技,具体例,そうしたものの背後にあるアート。
それはその人の価値観だから何でもありというわけでもない。
その世界における「約束事」のように,「思考の枠」「考えの型」はある。
その型や枠を持っているかどうかが,仕事にもつながるし,なんなら採点を決めるのはそこだったりもある。(単に構成や文字遣いを採点するだけの世界もあるかもしれないけれど,なんなら,そんな組織なら,そこはやめておいた方が後のためだったり……独り言)

試験勉強を通して認識を磨く。
模擬授業の一挙一動作,小論文の文の中に込めるアートを磨く。「方法の型」以上に「認識の型」を。がんばれ4年生!

――「そうじゃないかと」って,プーのやつ。

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