おしごと:研究と教育の視点

授業・カリキュラム・評価から、学校教育を問いなおす
ことばや文化の多様性を手がかりに、
子どもたちが共に学ぶ授業・学校・地域のかたちを探究しています

研究業績の詳細

科学研究費助成事業研究プロジェクトなどの詳細

教育学としての基本テーマ

教育の目的・カリキュラム・評価

学校教育を、知識や技能を身につける場としてだけでなく、子どもたちが人や社会と関わりながら、自分の経験を意味づけていく場として捉えています。
とくに、ことばや文化の違いがある子どもたちの学びを考えるとき、何を「学力」とみなし、どのように評価するのかは大きな問いになります。子どもを標準に合わせる仕組みとしてではなく、多様な学びを見取り、参加へつなぐ仕組みとして考えています。

授業・学級・学校づくり

授業は、教師が内容を伝える場であるとともに、子どもたちがことばを使い、人と関わり、学級や学校の一員として参加していく場でもあります。南浦研究室では、教材や発問、板書、対話、グループ活動、子どもの経験、地域との関係など、授業を広く捉えています。
とくに、特別な支援の場のみならず、在籍学級や学校全体の中で、子どもたちがどう学びに参加できるのかを考えています。

外国につながる子どもの教育

外国につながる子どもの教育を、日本語を習得や、学校生活適応とだけに限定せず、教科の学び、学級での関係、将来への見通し、地域とのつながりを含めて考えています。
日本語指導は重要ですが、それだけでは子どもたちの学びや成長を十分に捉えることはできません。ことば、文化、移動経験、家族や地域との関係を、学校教育の中でどのように資源として位置づけられるのかを探究しています。

教師教育・研修

多様な子どもたちがいる教室では、教師に求められるのは、決まった支援方法をそのまま適用する力だけではありません。
子どもの背景や学びの状況を見取り、教科内容とことばの関係を読み解き、学級や学校の文脈に応じて授業や支援を組み替えていく力が必要になります。教師が子どもを「できない存在」として見るのではなく、学びに参加するための資源や可能性を見出す専門性を育てる教師教育・研修を考えています。

主な近年のプロジェクト

ナラティブ評価と社会実装

研究の成果が本になりました!(2025年3月発行)

南浦涼介・三代純平・石井英真・中川祐治・佐藤慎司『人と社会をつなぐ評価―孤立化と分断を超えて』東信堂, 2025年

ナラティブがつくり出す、教育評価の新たな境地へ!

本書では、日本語教育を社会参加を支える教育として捉え直し、数値化された評価だけでは見えにくい学びや成長を捉える視点として「ナラティブ評価」を提案しています。日本語教育の評価を、教育学との架橋の中で考える理論と実践の書です。

広域オンライン多文化共生学習

オンラインで学校をつなぎ、教科の学びと多文化・多言語の視点を結ぶ授業を提案・実施し、学校を越えてみんなで多文化共生社会のことを考えていきます

授業のYOUTUBEダイジェスト版(2024年11月実施 「外国の言葉が上手」とはどういうこと? 左: 1時間目・右: 2時間目)

以下のリンクから,授業の様子,指導案を見ることができます

探究×共生フレンドシップ

東広島市教育文化振興事業団との協働により、広島大学第一類初等教育学プログラムの学生たちが、東広島市内に在住する日本の子どもたちと外国につながる子どもたちとが一緒に探究学習を進めていく企画を行っています。

2024年度は東広島市立美術館、2025年度は合弁会社「ひとむすび」と「東広島まるひネット」と一緒に、子どもたちの探究企画を考え、実施しました。

研究方法論の整理と探究

教育実践を、単なるノウハウや成功事例としてではなく、研究として言語化し、共有し、育てていく方法を探究しています。授業・カリキュラム・評価・教師教育・学校づくりに関わる実践の文脈や意味を、教育学の知として捉えることをめざしています。

教育実践の研究方法論について翻訳書が出ました!(2024年5月発行)

ビースタ・G『よい教育研究とはなにか─流行と正統への批判的考察─』(明石書店, 2024年)

エビデンスに基づく教育から、価値に基づく教育へ

本書では、ガート・ビースタの教育研究論を手がかりに、エビデンスや説明責任を中心とする教育研究の前提を問いなおしています。教育研究が何を知とし、どのように実践と関わるのかを考える一冊です。

教科教育学の実践研究について本を出しました!(2019年12月発行)

梅津正美(編)『協働・対話による社会科授業の創造─授業研究の意味と方法を問い直す─』(東信堂, 2019年)

社会・文化的アプローチにもとづく授業研究の意味と可能性へ

本書では、研究者と教師の協働・対話を通して、社会科授業をめぐる理論と実践を結びつける方法を探究しています。変化する学校や子どもたちの状況に応答する授業づくりを考える一冊です。


これまで

  • 1979 鳥取県米子生まれ→島根県松江→兵庫県宝塚→兵庫県猪名川
  • 1998-02 滋賀大学教育学部 学校教育教員養成課程 社会科専修の中の考古学ゼミ(小笠原好彦研究室)。ほぼボート部の毎日
  • 2002-03 ThailandのPhechabun Rajabhat Universityで日本語教師をする (日本語会話・ビジネス日本語・日本語入門など)
  • 2003 帰国後兵庫県伊丹市で中学校の社会科臨時講師,契約切れのちフリーターをする
  • 2003-04 再び渡タイ。ThailandのPhra Nakhon Si Ayutthaya Rajabhat Universityで日本語教師をする(日本語会話・日本語実習 など)
  • 2004-05 滋賀県大津市の小中学校で外国人児童生徒の日本語指導の仕事をする
  • 2005-10 広島大学大学院 教育学研究科 社会認識教育学講座で勉強する(小原友行研究室)
  • 2006-10 大学院生と並行して,附属小学校,農業高校で社会科や図工,理科を教える仕事をする
  • 2010-16 山口大学の教員。教育学部小学校教育コース(現・小学校教育総合選修)及び社会科教育選修 / 大学院 教育学研究科 社会科教育専攻の担当(教科教育法社会,教職概論,地域協働実践,中等公民教育論,教材開発演習など)
  • 2016-23 東京学芸大学の教員。教育学部 国語教育選修 日本語教育コース / 大学院 教職大学院 教科領域指導 国語教育サブプログラムの担当(外国人児童生徒への日本語教育,日本語教育方法論,日本語政策論,異文化間教育,国語科研究 など)
  • 2023- 広島大学の教員。教育学部第一類/大学院人間社会科学研究科 教育科学専攻 教師教育デザイン学プログラム 学習開発学領域の担当(外国人児童・生徒の教育,教育課程論,教育の社会・制度,地域教育実践,外国人児童・生徒の教育課程デザイン特論 など)