教師教育学における「実践研究」の複雑さ
2024年9月22日(日)に,日本教師教育学会で課題研究Ⅰ「実践研究」部会で発表をしました。教師教育学における「実践研究」について,ここから3年間検討していきます。
「教師教育学」における実践というのは複雑な構造を実は持っています。
例えば,学校の先生が自分自身が授業をすること,それを成長につなげていくときの実践も「教師教育の実践」と呼べます(教師の実践研究)。
もう1つ,先生を育てる場(養成の場や研修の場)において教師教育の担い手が行う実践も「教師教育の実践」と呼べます(教師教育の実践研究)。
この2つが絡み合うことによって,教師教育学の実践研究は複雑化します。「教師教育」が盛んになる中で,日本教師教育学会には多くの人が参加するようになり,より「実践研究って何をするのか」が混沌とするようになってきました。それを受けて,あらためて「教師教育の実践を研究するとはどういうことか」を検討していく部会です。
日本語教育分野における実践研究の歴史とその課題
今回の学会では,そのスタートとして,部会メンバーの関わりのある分野ではそれぞれ何を「実践研究」としているのかを検討していきました。南浦は,「日本語教育」の分野における実践研究の歴史と展開,そして近年の「国家資格化」をめぐって生まれる再政治化の中で,実践と政策の距離の近さの問題を提起しました。
メンバーの資料は以下のサイトから見ることができます。