この授業は,主として広島大学教育学部 第一類の学生に向けて開講された授業です。
教育というとどうしても「授業」という単位の枠ばかりを想定しますが,実際の教育の営みはとても幅広く,長い射程をともなったものになってます。また「カリキュラム」は日本の学校教育ではどうしても学習指導要領のみとイコールの関係で結びつきがちです。
この授業では教育課程の意味を幅広く捉えながら,学習指導要領や教育課程の歴史を捉えながら,教師や学校が主体となってカリキュラムを再設計していく視点の獲得をめざします。
ポイント!
とりわけ,近年は以前にも増して学校状況,地域の状況,子どもの状況,地域の状況も多様化しています。その中で一律の教育課程をイメージした理解は逆に困難です。多様な学校をめぐる状況を踏まえてどのようなカリキュラムの捉え方が重要になってくるかを考えていくことが重要になります。
10月2日 第1回・第2回授業 オリエンテーション&教育課程の概念的枠組みとその歴史
授業目標
- オリエンテーションとして授業の全体像とシステムを理解する
- 教育課程・カリキュラムの意味を概略的に捉え,長期的な学びのプランニングを目的と内容,方法や順序性などの観点から捉えられるようになる。
- カリキュラムの歴史における類型的な目的論を知り,教育の具体を分析することができる
- 教育課程とカリキュラムの違い,その関係性を知り,教職の専門性や専門職性としての意味を理解できる。
授業スライド
授業後に配布されたTAさん作成の新聞
10月16日 第3回・第4回授業 学習指導要領の変遷の歴史と現在
授業目標
- 教育課程と授業の関係を知ることができる
- 教育課程の歴史的展開の特徴を知ることができる。
- 教育課程の歴史に影響を与えた社会の動きと,学力の意味を考えることができる。
授業スライド
授業後に配布されたTAさん作成の新聞
10月23日 第5回・第6回授業 教育課程の行政的側面・教育課程とその評価
授業目標
- 教育課程における行政の役割を,多様性と統一性の担保の両面から考えることができる
- 教育課程や個人に対する評価の考え方を,判定と改善,履修主義と修得主義の観点から考えることができる
- 教育課程における行政の役割を,評価と社会の関係性から検討することができる
授業スライド
授業後に配布されたTAさん作成の新聞
10月30日 第7回・第8回授業 教育課程の編成論・小学校を中心にした教育課程
授業目標
- 小学校教育課程における教科内の編成論理を考えることができる。
- 小学校教育課程における教科の単元の解釈の違いを学校のタイプから考えることができる。
- カリキュラムマネジメントの側面から,教師や学校がカリキュラムをつくるという観点を考えることができる。
授業後に配布されたTA馬越さん作成の新聞
11月6日 第9・10回 「連携」を考える
授業目標
- さまざまな学校の「連携」の具体とその発想について考えることができる
- 連携の具体を論文から学び,その取り組みと意味を検討することができる
- 連携には「融合」「交換」「共有」「拡張」などさまざまな発想が混ざり合いながら存在しており,その学校としての意義,意味を考えることができる。
授業後に配布されたTA馬越さん作成の新聞
11月13日 第11・12回 特別なニーズを持つ子ども(例としての外国につながる子ども)と総合的視点の授業,教育課程
授業目標
- 多様な子どもたちを知るということから,外国につながる子どもとその教育の概要がわかる
- 外国につながる子どもの教育の実際を知る
- 教育の実際からその意味とカリキュラムの位置づけを考えることができる
授業後に配布されたTA馬越さん作成の新聞
11月20日 第13・14回 中学校の事例からカリキュラム・マネジメントを考える
授業目標
- 中学校における事例から,カリキュラム・マネジメントの具体とその発想の視点を得ることができる
- 公立学校における自治体教育委員会のカリキュラム・マネジメントとしての重要性を知ることができる。
- 「社会に開かれた教育課程」「真正の学び」の意味とその具体としてのカリキュラム発想を知ることができる