平和と共生の理念が地に生きる広島で,授業やカリキュラム・評価・制度といった学校の教育学,あるいはそれを軸にした外国人児童生徒をめぐる多様性の教育学を学び修め,明日の教育のビジョンを具体的につくっていく力を一緒につくりませんか?
6月17日(木)18:00-19:00にZOOMで南浦研究室も属する,広島大学大学院人間社会科学研究科 教育科学専攻 教師教育デザイン学プログラム 学習開発領域の大学院受験説明会が行われます。
学外の方もどなたももちろん参加可能です。
この大学院は,こんな特徴を持っています。
1 教職大学院でもなく,学問のみの大学院でもない,両者をつなぎながら教育実践のビジョンを学的に捉える数少ない場
日本の教育系大学院は,その多くが2つのどちらかに分離しました。1つが,旧帝国大学に設置されている教育学に関する研究科です。もう1つが,各地域に設定された教職大学院です。
前者が概ね学問的な教育学を修める場として存在しているのに対して,後者は高度実践家を育成していくことを念頭においています。
そうした中で広島大学のこの所属分野は,この前者後者のちょうど中間を保つ貴重な場となっています。
日本でほぼ唯一の学校の実践的課題を学問として捉え,学的な視点から解決のビジョンを具体的に検討し,学問の俎上に載せていくことができる場になっています(プログラムのポリシーはこちら)。
2 心理学と教育学がともに学べる
学習開発領域は,多くの大学で別個の組織として存在している心理学領域と教育学領域がスタッフとして融合しています(スタッフ一覧はこちら)。このため,往々に教育の中でも分離しがちな「形成・指導」といった教育と陶冶の側面の文脈と「ケア・支援」といった学習と福祉の側面の文脈が融合した形で学べるようになっています。
大学院生の学びの場(学生研究室)では教育学系の院生と心理学系の院生がともに混在しながら過ごしています。こうした中で上のような教育をめぐる2つの側面をともに捉えていけるメリットは,とても大きなものです。
3 教育学の側面から外国人児童生徒の教育を学べる
僕が担っている分野の一つである外国人児童生徒の教育については,多くは日本語教育や教育社会学の分野でなされることが多くありました。
一方で本来教育の分野であるにもかかわらず,教育学の面から外国人児童生徒の教育を捉えていくことはこれまであまり多くなく,カリキュラム学・教育方法学・教育評価学・教育制度学といった側面から外国人児童生徒の教育を検討していく場としては,ほぼ日本で唯一の場となっています。
日本語指導の担い手の方(あるいはそれをめざす人)はもちろん,学級や教科の担任,管理職として,指導主事職といった教育行政官としてこの分野を掘り下げてみたい方,学校全体のカリキュラムの視点から考えてみたい方にとってはとても貴重な場です。(同じ教師教育デザイン学プログラム内には日本語教育の専門学科もあり,その授業も取ることもできます)
4 教師教育デザイン学プログラムとして,多様な教科教育や心理学の授業も学べる
「教師教育デザイン学プログラム」の構成自体はとても大きく,各教科教育,心理学,日本語教育の学科が融合しています。授業もその中で柔軟に取ることができ,関心やテーマに合わせて授業をアレンジできるようになっています。
実際,院生も社会科の授業を取りにいったり,心理学の授業を取りにいったりしています。僕が担当している「外国人児童・生徒の教育課程デザイン特論」(昨年度の授業はこちら)も,さまざまなバックグラウンドの院生が色々なところから取りに来ています。
5 将来を多様に考えることができる
1に挙げたような学びの場であるため,修士号はもちろん,博士号を取ったのちにその専門性をどのような場で活かすかは幅広く考えることもできます。
大学のような研究職はもちろん,学校カリキュラムとその具体デザインの視点や発想を持った人は,間違いなく学校現場におけるカリキュラムディベロッパーとして重要な立場になり,現場の中で,あるいは行政職の中での活躍も期待できます。
また,企業においてはまだまだ教育について深い知見を持った人は少なく,貴重な力になるはずです。
現在,南浦研究室は広島大学ではじまったばかりの第1期です。
大学院生は博士課程前期学生が1名,博士課程後期学生が1名です(学習開発学領域,教師教育デザイン学プログラム領域でいうともっとたくさんいます。院生は普段は領域ごとの研究室で学び,ゼミのときはそれぞれの所属で学ぶ形です)。
ぜひ,一緒に議論して学を深めていくメンバーをお待ちしています!