多文化ゆる読

外国人児童生徒をめぐる教師教育の英語論文を読む会

「多文化ゆる読」という名前で、外国人児童生徒をめぐる教師教育の英語論文を読む会をしています。
この分野は国際的な課題であるのですが日本では特定のもの以外あまり海外文献の参照が少なく,「外国人児童生徒×教師教育」に焦点を当てた英語論文の読書会です。

日時 第1金曜日・第3土曜日 20:30-22:00

参加希望の方は南浦までご連絡ください(DMでもメールアドレスでも)。グループのdiscordへご案内します

基本的な流れ

各自検討対象論文を読む
事前に話し合いたい問いを共有
ZOOMで話す

*連続参加前提ではなく、Discordに入って関心がある、参加できる、ときに参加する非連続的参加読書会です。 退会も再入会も自由です。

*翻訳機のご利用はご自由にドーゾ

これまでの文献

2024.05.02
次回!
Min, M., Whitehead, A., Wells, C., & Akerson V. (2023). Unpacking elementary preservice teachers’ beliefs on culturally and linguistically responsive mathematics and science teaching for English language learners.

With an increasing number of English Language Learners (ELLs), the landscape of public schools in the United States has been rapidly changing. However, ELLs’ academic performance is consistently lower than their native English-speaking peers’ and many in-service teachers feel ill-prepared to teach ELLs in a culturally and linguistically responsive way. This is especially true for mainstream teachers who teach STEM-related subjects. This study explores how pre-service elementary school teachers perceive culturally and linguistically responsive mathematics and science teaching practices for ELLs. A qualitative research design with interviews and constant comparative analysis was employed. Pre-service teachers’ lively voices that unpack their beliefs on the characteristics of culturally and linguistically responsive math and science teaching are illustrated around teachers’ scaffolding strategies, ELLs’ learning experiences, and environments. Suggestions for teacher educators, education scholars, and practitioners are provided to advance the discourse of how to better prepare teachers to teach mathematics and science to ELLs.
英語学習者(ELL)の増加に伴い、米国の公立学校を取り巻く環境は急速に変化している。しかし、ELL の学業成績は、英語を母国語とする生徒に比べ一貫して低く、多くの現職教師は、ELL を文化的・言語的に対応した方法で教える準備ができていないと感じている。これは特に、STEM関連科目を教えるメインストリームの教師に当てはまる。本研究では、教員養成段階の学生が、ELLのために文化的および言語的に対応した数学および科学の教育実践をどのように認識しているかを探る。インタビューと定比較分析を用いた質的研究デザインを採用した。文化的・言語的に対応した算数・理科教育の特徴に関する信念を解き明かす教員養成段階の学生たちの生き生きとした声が、教員の足場作り戦略、ELLsの学習経験、環境を中心に示されている。教師教育者、教育学者、実践家への提言は、ELLに数学と科学を教える教師をよりよく準備する方法についての言説を前進させるために提供される。

2024.05.02
2024.04.20
Coady, M. R., Harper, C., and de Jong, E. (2015). Aiming for Equity: Preparing Mainstream Teachers for Inclusion or Inclusive Classrooms?. TESOL Quarterly, 50(2), pp.340-368.

世界中のメインストリームの教師たちは、第二言語としての英語学習者(ELL)を含め、多様な学習ニーズを持つ小学生の指導に差をつけることをますます求められている。教師養成課程は、子どもたちの対象言語としての英語の力を伸ばす実践につながっているのだろうか。また、教員養成課程を修了した学生たちは,その後ELLのために、教室でどのような指導を行っているのだろうか。この研究は第二言語の教育についての教員養成課程を卒業した2人の教師のビリーフと実践を調べたものである。その結果、ELLが少ない初等教育学級でELLを指導する教員養成課程を卒業した若手教師たちは、一般的なアコモデーションの戦略や即応的なスキャフォールディングの技法を用いてはいたが、ELLの言語発達を促進するための具体的な実践を行うことはほとんど見られなかった。著者らは、ここから第二言語教育の教師教育者への示唆について論じている。

2024.04.20
2024.04.05
Lucas, T., Strom, K., Bratkovich, M. & Wnuk, J. (2018). Inservice Preparation for Mainstream Teachers of English Language Learners: A Review of the Empirical Literature, Educational Forum. 82 (2), 156-173

メインストリームのELL教師たちのための現職研修の性質と目標に関する実証的な文献によると、現職研修は教師の教育学的知識とスキルの向上に重点を置いているが、同時に、教員養成課程の学生たちや学校の状況について学んだり、自分たちの実践について探求したり、ELLを教えるための教科知識を深めたり、信念を分析し変化させたり、ELL教師としてのアイデンティティを育んだりすることも重要視されている。

2024.04.05
2024.03.16
Mickan, P. (2022). Systemic Functional Linguistic Perspectives in TESOL: Curriculum Design and Text-Based Instruction,TESOL in Context, 31 (1), 7-24

本稿では、TESOLカリキュラムにおけるハリデー(1994, 2014)の選択的体系機能言語学の一般的影響について概説する。社会的記号論としての言語と、意味の学習としての言語学習に関するハリデーの説明は、ジャンルやテキストに基づく教育において国際的に応用されている。選択的体系機能言語学における音域の概念は、異なる意味を表現するためのテキストの言語的変化を説明するものである。SFLの研究では、機能や社会的文脈と結びついたテキストタイプの語彙的構築について、教師が明示的に指導していることが記録されている。このような明示的な指導は、様々なテキストタイプにおける意味形成のための生徒の意思決定に役立っている。教師教育におけるSFLの適用についても言及されている。SFLとオーストラリアの教育における読み書き能力の基準との関連性についても言及されている。

2024.03.16

こんな人で読んでいます

(名前を出してもいいですよの方。他にもいます。あいうえお順)
  • 石田喜美(横浜国立大学)
    子ども・若者の学校外での学びをいかに学校内での学びと結びつけるかという視点から、さまざまなアプローチで、言葉や読書の教育に関わる研究・実践を行っています。最近は、ゲームと教育・学習とを結びつけた活動に興味があります。「図書館たほいや」普及委員会のメンバー(風紀委員)です。
  • 小栁亜季(千里金蘭大学)
    イギリス(主にイングランド)の言語教育実践を研究しています。異なる言語的背景を持つ生徒に、どのような言語教育のカリキュラムが求められるかを主な研究課題として研究しています。メインストリームとされる教育と外国人児童生徒への教育の間のつながりをどのように構築していくかにも興味があります。
  • 権野さち(お茶の水女子大学大学院)
    すべての子ども・若者が出自(生まれ育ち・国籍)、性別、宗教等に関わらず、公正な教育を受ける機会が平等に得られることを願って研究をしています。日本の学校に通う外国につながる(CLD)高校生の教育的指導・支援に興味があります。
  • 田野茜〈あもすん。〉(京都大学大学院)
    「他人と一緒に学ぶことの意義」を考えながら、「教室内すべての人が自分らしくいられる教育」について考えています。神戸出身で幼少期から身近な存在だった外国につながる子ども(CLD児童生徒)の教育にも継続して興味を持っています。
  • 南浦涼介(広島大学・管理人)
    外国人児童生徒を包摂するカリキュラムから評価までを教師教育との関係で考えるのに興味があります